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玉川陽平様へ

玉川様、こんにちは。
丁寧な返信、誠にありがとうございました。
私からの返信がなかなかできなかったこと、お詫び申し上げます。

新しいエントリーで返信したいと思います。
前回、私は以下のように述べました。

>>こちらの犠牲を最小限にして戦争に勝つためにはどうすればいいか、という命題を追求すると奇襲的な先制攻撃が一番有効だと思いますが、それを突き詰めて行くと核兵器の小型化を目指すことになると私は思っています。
予防戦争は相手のミサイル基地や核開発関連施設だけをたたくという戦略に基づいた武力行使で、これは国の交戦権を行使する行為だと私は思います。
したがって現在の9条では予防的先制攻撃は不可能ですが、その代わり日本には日米安保がありますので、私たちには必要十分な抑止力はすでに保持していると私は考えています。


それに対して玉川様の返信がありました。
以下、玉川様の発言を赤字、私の発言は青字ままで表示します。


>>こちらの犠牲を最小限にして戦争に勝つためにはどうすればいいか、という命題を追求すると奇襲的な先制攻撃が一番有効だと思いますが、・・・

>奇襲的な先制攻撃が一番有効とは、どの国の軍事学にも兵法書にも書かれていないと思います。奇襲的な先制攻撃の成功確率は非常に低いのでそれはしないように戒められていると思います。山本五十六連合艦隊司令長官は真珠湾攻撃を計画したとき、桶狭間と川中島と鵯越えを同時にやるようなことを考えないといけないので大変だと言っていたと伝えられています。それほど失敗の可能性が高く、賎ヶ岳の戦いで、佐久間盛政の先制攻撃により、柴田勝家が羽柴秀吉に敗北したことも、小牧・長久手の戦いで、池田勝入斎恒興の奇襲による先制攻撃の失敗により、秀吉が家康に敗れたことも知っていたはずですが、真珠湾攻撃をせざるを得なかったという苦悩があったと思います。基本的に戦争に勝つには正攻法と強い守備だと言われていると思います。日露戦争の観戦武官であったチェスター・ニミッツ提督は日本海海戦を見て、東郷平八郎元帥を非常に尊敬していたと伝えられています。敗戦した日本に来たニミッツ提督が最初にしたことは東郷元帥の旗艦であった戦艦三笠を修復展示することに努めたことだったと言われています。そして太平洋戦争においても日本海海戦のような正攻法の艦隊決戦を日本海軍がするものと思っていたように思います。攻撃兵力は防御兵力の3倍必要であるということは人類のすべての戦争で言われていることで、それが攻撃側が正攻法で攻めて一番被害が少ないことになります。硫黄島の2万の守備兵に対して、米軍は7万の兵力で攻撃しました。

前回の私の文中の「奇襲的な」という部分が表現として良くなかったと反省しています。
電撃作戦や不意打ちなどを含めた広範囲の意味での先制攻撃が戦争に勝つためには有効なのではないだろうか、と私は考えています。
「先手必勝」や「攻撃は最大の防御」という格言は今でも有効だと私は考えています。
先のイラク戦争でも開戦の火蓋は、イラク側から見れば突然の攻撃と優れた機動力を活かした進撃からが始まりでした。
それから「攻撃兵力は防御兵力の3倍必要である」ということですが、過去の戦争の歴史ならば私も同意することができますが、現在そして未来の戦争では、兵士の数の比較よりもハイテク兵器の性能の方が重要視されていると思います。


>>予防戦争は相手のミサイル基地や核開発関連施設だけをたたくという戦略に基づいた武力行使で、これは国の交戦権を行使する行為だと私は思います。したがって現在の9条では予防的先制攻撃は不可能ですが・・・

>予防戦争と予防的先制攻撃は意味が違うように思います。予防戦争は戦争であり、予防的先制攻撃は防衛であるという定義ができる可能性があるという意味で使用すべき言葉です。予防的先制攻撃が防衛であるという定義ができれば、9条とは関連がありません。

予防的先制攻撃が防衛であるかどうかは状況によると思いますが、現在の9条では日本の領海、領空に侵入してきた敵戦力のみしか先制攻撃は許されないと私は思います。
予防が目的であっても現在の9条は公海上や敵国の領域内で先制攻撃をすることは禁じられていると日本の歴代の政府も考えているようですが、私も政府と同じ考えです。
すなわち先制攻撃をすることに対して大きな制約を現在の日本国憲法は定めています。
予防戦争と予防的先制攻撃は「予防」という言葉を頭に持ってきて開戦や先制攻撃を自己正当化するための言葉のレトリックだと私は思います。


>>その代わり日本には日米安保がありますので、私たちには必要十分な抑止力はすでに保持していると私は考えています。

>日米安保もありますが、国連憲章51条もあります。「安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間・・・」と規定されていますので、日本が武力攻撃を受けたときには、安全保障理事会が安全の維持に必要な処置を取ってくれるはずですが、日本も安全保障理事会の構成国として、日ごろから国連軍や国連平和維持軍に参加する必要があると思います。それが義務としての戦争や義務としても防衛になります。但し、このときに安全保障理事会の他の構成国が小型の核兵器を日本も装備するように要請することはないと思います。

国際平和への貢献に対して私は賛成ですが、日本が貢献する方法は慎重に選んだ方が良いと思います。
イラク戦争のように戦後の復興に対して協力する方がアメリカ人からもイラク人からも感謝されるようです。
アメリカからの日本の参戦要請に対して9条は自衛隊を守るための楯として利用できるというのが私の持論です。
日本が核武装をすることに対してはアメリカも現在のところ反対のようですから、たとえ9条を改憲しても直ぐには核武装はできないと私は見ています。
現在の国際情勢では国連憲章51条は当てにできないと私は思います。
やはり日米安保がないと日本の防衛は不安で他の対案がないというのが、残念ながら現状だと私は思っています。


時間の関係上、今日はここまでにしますが、以下に最近読んだ記事を紹介したいと思います。
(今回の私たちの議論とは直接は関係ありませんが、議論を深めるための背景としては無関係ではないと私は思います。)
この記事の筆者、岡崎久彦氏は日本の元外交官という点で日本政府には緻密な外交戦略がないことが窺えると思います。
その分、私たちが冷静に国際情勢を勉強して日本の外交と安全保障についても考えなければいけないと私は思っています。




日米首脳会談 岡崎久彦・元駐タイ大使 強固な同盟、世界安定の源

 首相が日米首脳会談の冒頭、「日米関係が良ければ中韓はじめ世界各国と良好な関係が築けるというのが基本だ」と言ったのはなかなかの見識だ。なまじっかな学者には持てない洞察力といえる。中韓両国は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝などで内政干渉的な発言を繰り返しているが、仮に日米関係がしっかりしていなければどうなるか。
 例えば、米国と疎遠になり、中韓両国と接近すれば、中国の日米離間策に乗ってますます日本が世界の中で孤立するのは自明の理だ。
 日米同盟は何が基本かを考えるとき、それは(1)歴史(2)力関係の現実-からおのずと見えてくる。
 まず、歴史の観点で日米同盟を見るというのは、冷戦終結後の国際情勢という短期的な視点ではない。島国だった日本が幕末に開国して以来、七つの海を制覇していたアングロ・アメリカン世界と仲良くしていれば、国民の安全と繁栄が約束されるということだ。ここでいう「安全」の中には、自由と独立も含まれる。
 最近では、例えば日本のパートナーが旧ソ連であれば、日本は占領されたまま自由も独立もなかった。北朝鮮の脅迫からも、自由や独立は得られない。
 二つ目の力関係の現実だが、そもそも日米同盟の力というのは、経済力と軍事力にある。
 日米でこの二つを合わせると、世界では圧倒的な強さになる。この強い数値というか、方程式が安定していれば、他の国際情勢がどう変動しようとも、アジア地域のみならず世界の大勢に影響はないといえる。
 だからこそ、日本がイラクへ自衛隊を派遣したのは、給水活動など復興支援というその場の任務だけが目的ではなく、日米同盟をより強固にするという基本に立ち返ったからにほかならない。
 十二月には自衛隊の派遣期限が切れるが、いつ、イラクから引き揚げるかということが問題になる。日米同盟をまったく傷つけないで米国から感謝される状況なら、引き揚げても構わない。しかし、同盟関係をいささかでも傷つけることになるなら、引き揚げてはならない。これは、日米同盟の重要性を考えれば単純明快なことだ。
 一方、中国、韓国との関係だが、日米同盟さえしっかりしていれば、日本との一時の摩擦は、さざ波のごときもの。日本は、ものごとの大小、軽重をしっかり考えなければならない。
 ブッシュ大統領はアジア歴訪前の記者会見で、中国人記者から中韓などアジア諸国と日本の関係について聞かれ、「未来志向の関係を築くべきだ」と答えている。これは日本の主張を代弁し、日本の立場を強くするものだ。
 あえて注文をつけるとするならば、もう一息、日米同盟を強化していかねばならない。孫子の代まで日米同盟を盤石とするためには、首脳会談で同盟強化を確認するのにとどまらず、日米同盟を実質的なものに発展させるため、これまでの片務的な関係を改め、日米安全保障条約に双務性を持たせる努力をすべきだ。
 具体的には、国連憲章に明記されながら、内閣法制局の見解で容認してこなかった集団的自衛権の行使を認めること。
 小泉首相の残り任期は来年九月までだが、首相在任中に何とか、これを実現してほしい。(談)
(産経新聞)- 11月17日2時48分更新
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  1. 2005/11/22(火) 09:09:24|
  2. 軍事|
  3. Trackback:2|
  4. Comment:6

  

Comment

>この記事の筆者、岡崎久彦氏は日本の元外交官という点で日本政府には緻密な外交戦略がないことが窺えると思います。

害務省がおよそ国家の存亡や有り様を深く考慮し施策を検討するようなモノではなく、外務庁程度の事務機能ぐらいしか持たないらしいという感じは、出先機関や日本外交における当省の見聞できる活躍を見る限り同意します。

が、この記事を読む限りにおいてそれを判断するのは、短慮というか合目的的な誘導でしかないと思います。

まず読み手を意識してかなり話を端折っているのは小泉さんと同様の手法で、此処で都合が良いように脳内補完がそれぞれに置いて行われます。

もし反発というか補強が必要な部分を挙げるとすれば、「日米同盟の強化」とは具体的にどうなる事なのか?日本の独自性自主性はどの様にして担保されるのか?が明示されていない点でしょう。

ある種の左党の方々に対して可笑しく思うことは、中ロのような外国軍は「平和の軍隊」なので危険がないとか、米軍は気に入らないけど日本軍を伸張させないために渋々それを利用するのだとか。

日本人である当事者が自国の民主的に自分達で選べる政府や国防を担う軍隊を不信の目で決めつけて、どうして本質的に関与できない外国の政府や軍隊を信用してるのか?
自分達の思い通りにならないからという理由なら、外国の政府や軍隊の方がそうだろうと思うんですよ、普通。
舶来信仰というか、進んだ西欧には自由な言論があるから、そうでない日本と比べて安心できると言ってるのと同じだと思いますが、果たしてそうでしょうか?
訳の分からない変な劣等感は卒業しましょうよ。
何処にも言論を受け付けない人は居ますし、日本にはそれが多くて西欧には少ないというのは誤りだと思いますよ。
ただ、社会の基部や構成が独自で強固である事に辟易してると言うなら理解できます。
が、それが民心の安定に寄与しダイナミックな変動から生まれる個々の不幸をソフトにしてるという事もありますよ。
  1. 2005/11/29(火) 15:16:22 |
  2. URL |
  3. トリル
  4. [ Edit]

福山様へ  9条と防衛

福山様、こんにちわ。回答がこちらにあるとわからず、お返事が遅くなりました。

>「先手必勝」や「攻撃は最大の防御」という格言は今でも有効だと私は考えています。
◇返信
米国は独立戦争のときも含めて、ほとんど後手であり、先制攻撃されて来たと思います。先のイラク戦争ではじめて先制攻撃するので、事前に予防的先制攻撃であると弁明したように思います。
「攻撃兵力は防御兵力の3倍必要である」の兵力は兵員数と兵器装備を合わせたものですので、ハイテク兵器を開発・運用・管理するスタッフも必要であり、イラク戦争において、米・英軍はイラク軍の3倍以上の兵力を持っていたと思います。当初の攻撃兵力は13万人で非常に少なかったのですが、制空権やハイテク兵器が有効だったと思います。イラク側から見て突然ということはなく、数ヶ月前から予想でき、48時間前に最後通牒もされています。イラク側に制海権、制空権はなく、かっての日本軍のような攻撃兵力を持っていないために、米国本国を攻撃できないので、結果的に米国の先制攻撃になっています。

>予防的先制攻撃が防衛であるかどうかは状況によると思いますが、現在の9条では日本の領海、領空に侵入してきた敵戦力のみ
しか先制攻撃は許されないと私は思います。予防が目的であっても現在の9条は公海上や敵国の領域内で先制攻撃をすることは禁じられていると日本の歴代の政府も考えているようですが、私も政府と同じ考えです。すなわち先制攻撃をすることに対して大きな制約を現在の日本国憲法は定めています。予防戦争と予防的先制攻撃は「予防」という言葉を頭に持ってきて開戦や先制攻撃を自己正当化するための言葉のレトリックだと私は思います。
◇返信
予防的先制攻撃が防衛であれば、9条とは関連がなく、それが権利としての戦争であれば9条で放棄されています。防衛であることが証明できれば、9条とは関連がありません。9条でなくても、どの国も領海、領空以外にいる他国の戦力を先制攻撃することは許されていません。その予防的先制攻撃が防衛であると証明できるかどうかです。拉致被害者を乗せて逃走している船が公海上にいようが、相手国の領海内にいようが、攻撃できます。それは自国民の防衛ですので、9条とは関連がありません。防衛であると証明できなければ、9条でなくても、どの国も公海上や他国の領域内に先制攻撃することは禁じられています。予防的先制攻撃が防衛として証明できれば、言葉のレトリックではなく真実ということになります。

>国際平和への貢献に対して私は賛成ですが、日本が貢献する方法は慎重に選んだ方が良いと思います。
イラク戦争のように戦後の復興に対して協力する方がアメリカ人からもイラク人からも感謝されるようです。
アメリカからの日本の参戦要請に対して9条は自衛隊を守るための楯として利用できるというのが私の持論です。
日本が核武装をすることに対してはアメリカも現在のところ反対のようですから、たとえ9条を改憲しても直ぐには核武装はできないと私は見ています。
現在の国際情勢では国連憲章51条は当てにできないと私は思います。
やはり日米安保がないと日本の防衛は不安で他の対案がないというのが、残念ながら現状だと私は思っています。
◇返信
少し驚くように外交的戦略のように思いました。日米安保条約は日本の防衛のために必要であるが、米国からの参戦要請に対して、9条は自衛隊を守るための楯として利用できるというご意見なのでしょうか。
9条の権利としての戦争を放棄するという条項はそのような内容にはなってないと思います。米国からの参戦要請が日米安保条約の規定に従って日本の防衛に必須であれば、それは防衛ですので、9条とは関連がありません。すぐ要請を受けるべきだと思います。その参戦要請が権利としての戦争であれば、9条があってもなくても断るべきです。しかし、米国がそのような要請をするとはとても考えられません。英国が米国とともにイラク戦争に参戦したのは予防的先制攻撃であれば、防衛として国際的に証明できると考えたからだと思います。9条がなくても権利としての戦争への参戦要請をしたり、それに応ずるということは考えられません。そのようなことは第二次世界大戦での枢軸国側でも起こっていません。独ソ不可侵条約をドイツが一方的に破って、ソ連に侵攻したときに、日ソ不可侵条約はそのまま継続していました。
9条は権利としての戦争を放棄していて、それは日本が再び、満州攻撃や真珠湾攻撃のようなことをして、第三次世界大戦が起こらないように注意深く規定しているものと思われ、日本の防衛については何の規定もありません。

>岡崎久彦氏の記事について
◇返信
アングロ・アメリカン世界という言葉ははじめて知りましたが、アングロサクソンと現在の米国という意味でしょうか。アングロサクソンの植民地主義による世界支配に対して、絶対に植民地にならないと富国強兵に努め、戦場で祖国のために命を捧げた私たちの父祖のことを思うと悲しくなりました。
しかし、ひとつだけ賛同する意見がありました。
>具体的には、国連憲章に明記されながら、内閣法制局の見解で容認してこなかった集団的自衛権の行使を認めること。
小泉首相の残り任期は来年九月までだが、首相在任中に何とか、これを実現してほしい。

これについては同じ意見であるとともに、国連憲章51条に従って、日本も安全保障理事会の構成国として、日ごろから国連軍や国連平和維持軍に参加することが必要だと思います。
  1. 2005/11/30(水) 14:44:20 |
  2. URL |
  3. 玉川陽平
  4. [ Edit]

玉川様へ

玉川様、こんにちは。
前回(このエントリーの本文)の続きを致します。
既に玉川様(11/30)とトリル様(11/29)から返信を頂いていますが、私からのそれに対する返信は見送るつもりです。


>>それを突き詰めて行くと核兵器の小型化を目指すことになると私は思っています。

>福山様の命題は「戦争の勝利のためには小型化された核兵器による先制攻撃が最も有効」ということだと思われます。文脈から見ると福山様のご意見は理論的にはこの命題が真だが、憲法9条があり、また米国の核による抑止力があるので、この命題による方策を採用すべきではないし、その必要もないということだと思われます。

う~ん、軍人という立場から見れば小型核兵器による先制攻撃が最適な攻撃選択肢になるケースはありえると私は考えていますが、「最も有効」という表現は違うと思います。
やはりcase by caseではないでしょうか?
ただ核兵器を実戦で使用することを想定すれば当然、核兵器の小型化は今後も進められて行くと私は思っています。
広島に投下された原爆の数分の一という破壊力の研究開発がアメリカでは行われています。
(極最近、新型地下貫通型小型核ミサイルの研究予算がアメリカの議会で否決されましたが、これはイラク戦争の戦費が膨大になったことによる一時的なブレーキであると私は考えています。)
従来の核兵器は報復するための抑止力としては兵器としての価値があるのですが、その破壊力と放射能のために非人道的大量破壊兵器として実戦では広島、長崎を除いて使用されませんでした。
しかし威力を弱めた小型核兵器は実戦に使えるように工夫されると私は考えています。


>ここでは福山様の命題が真かどうかについて検証したいと思います。
まず、戦争の勝利ですが、何をもって戦争の勝利というかという問題があります。第一次世界大戦以前であれば、戦争の勝利は「王位継承権」、「領土の割譲」、「賠償金」、「権益」をもたらします。小型であれ、核兵器は相手国の領土を獲得しても放射能のため使用できず、賠償金や権益を得ようとしても搾取する対象の人々が死滅していると思われます。この状態では戦争の勝利とは言えるとしても、獲得するものは何もなく、単に相手国を死滅させたことになります。それによって最大限に自国の安全は確保されたことになるので、自国の安全つまり防衛に成功したことになります。そうすると命題を次のように書き換えることになります。「防衛の成功のためには小型化された核兵器による先制攻撃が最も有効」、この命題が真かどうかが問題になります。この命題がもし真だとすると、国連加盟国の主権国家すべてにとって真になります。そうすると多くの国が小型核兵器を備えることになります。当然日本も9条2項を削除すれば、自衛のための戦力として小型核兵器を装備することができます。経済力に応じて小型核兵器の数は異なると思いますが、10発から50発ほど持ったとします。その場合、抑止力は働きません。何故なら、先制攻撃が最も有効という命題になっているからです。50発持っている国が相手国の10発を先制攻撃ですべて破壊できればいいですが、1発でも残り、それが自国に命中すれば、死滅することはないとしても甚大な被害を受けるでしょう。10発しか持っていなかった国は死滅したとしても、これは防衛に成功したと言えません。いずれの場合も福山様の命題は真とは言えません。それが真とは言えないことを理解しているために核兵器拡散防止条約が結ばれ、核保有国も非核保有国も新たな核保有国ができることを抑制する権利を持っていることになります。


上記の文中で私が引っかかった所を言います。
「小型であれ、核兵器は相手国の領土を獲得しても放射能のため使用できず、賠償金や権益を得ようとしても搾取する対象の人々が死滅していると思われます。この状態では戦争の勝利とは言えるとしても、獲得するものは何もなく、単に相手国を死滅させたことになります。」ということですが、現在、広島にも長崎にも多くの人々が暮らしています。
原爆の数分の一の破壊力、地下シェルター施設などの特定のターゲットに小型核兵器を使用した場合、玉川様が想像されたような状況にはならないとアメリカの核兵器開発支持者は主張しています。
玉川様が今回作られた『福山様の命題は「戦争の勝利のためには小型化された核兵器による先制攻撃が最も有効」ということだと思われます。』というのは、私にとって違和感のある書き換え表現で、結語の『いずれの場合も福山様の命題は真とは言えません。それが真とは言えないことを理解しているために核兵器拡散防止条約が結ばれ、核保有国も非核保有国も新たな核保有国ができることを抑制する権利を持っていることになります。』というのも現実の核拡散問題を見れば素直に同意することができません。

>「防衛の成功のためには核兵器による抑止力よりも戦域ミサイル防衛の方が有効である」という命題が真であることを証明することができます。核兵器による抑止力は、報復の恐怖を相手国の心理に与えていることになり、相手国の心理状態に左右されます。戦域ミサイル防衛は迎撃能力の精度を上げることにより、核ミサイルを発射して数秒後に迎撃できれば、相手国の上で核爆発させることができるようになる可能性があります。米国が戦域ミサイル防衛に力を入れるのは抑止力に頼ることはできないと思っているからであり、長期的計画としては宇宙基地からの戦域ミサイル防衛も視野に入れています。戦域ミサイル防衛は、その名称どおり防衛であり、日本がどれだけ力を入れても、憲法9条と何の関係もありません。

私には玉川様の『「防衛の成功のためには核兵器による抑止力よりも戦域ミサイル防衛の方が有効である」という命題が真であることを証明することができます。』という主張の意味が良くわかりません。
ミサイル防衛の迎撃能力の精度を上げる研究コストは、莫大な予算が必要でしかも相手国(現在は主にロシア)も対抗手段を研究していて本当に大陸弾道ミサイルを迎撃できる技術を開発することは不可能のように思えます。
アメリカがミサイル防衛に力を入れるのは軍産複合体の利益のためという側面が大きいと私は思います。
核ミサイルを発射して数秒後に迎撃する技術は最も難易度の高い迎撃方法で実用化できる構想ではありません。
私は議論を国内でほとんどせずにミサイル防衛の日米共同研究開発を進めている日本政府の方針には疑問を持っています。
最後に是非、玉川様に読んで頂きたいものがありますので、紹介します。

広島大学平和科学研究センター
山田浩氏
『ミサイル防衛(MD)をめぐる現状と問題点』
http://home.hiroshima-u.ac.jp/~heiwa/Pub/28.PDF

  1. 2005/12/04(日) 09:11:52 |
  2. URL |
  3. 福山達也
  4. [ Edit]

ミサイル技術の優位性維持

ま、確かに政治的な意味で軍産複合体を食わす為の出費という面はあるでしょう。

ただこちら側の迎撃技術だけの問題という風に考えるのは視野が狭いと思いますよ。
玉川さんとの談義の中でも幾らか匂い立ったと思いますが、脅威に対する実際的な攻撃力として精度の高い遠中距離ミサイルに依存する部分は当面非常に大きいと思われます。
これはミサイルの性能は当然として、更に双方の防空能力やダメージコントロール能力の差に依っても、それに劣らず影響力があるのではないでしょうか?
つまりミサイル防衛技術はそのまま位相を逆にしてミサイル技術にフィードバックされるはずです。

私は定見と言うほどのモノはないのですが、一応もう一度スタンツを明確にしておきます。

改憲派で、MD推進派で、えーと、可能ならば非核武装(全核廃絶か米国の傘に入るという条件付き)です。
核武装については、現実的には米軍のプレゼンスが後退すれば必要になるでしょう。
米政府はNPTをどの様に捉えどうするつもりなのか?
大いに興味があります。

戦術核には、放射性物質の放出を要求せず一過性の中性子線を放射するタイプもあるので、上で言われてるような使用上の制約ならば無いと思いますよ。

福山さんが言われてるような大陸弾道型の戦略核ミサイルは成層圏の真上から落ちてくるので確かに常識的に言って迎撃は難しく、むしろ報復兵器を用意する事で抑止するというのが今日の現実だと思います。
  1. 2005/12/10(土) 05:08:14 |
  2. URL |
  3. トリル
  4. [ Edit]

Dear Bruno

Nice to meet you, Bruno!
I made new entry to reply to your comment.

Sorry, トリル-san.
I will reply to your comment next time.
Please wait a while.
  1. 2005/12/15(木) 03:17:02 |
  2. URL |
  3. Fukuyama
  4. [ Edit]

福山様へ   論理的検証について

福山様のご意見の論理的検証について、違和感のある書き換え表現であるとの指摘をいただきましたので、再度説明させていた
だきたいと思います。命題は論理学において真偽を問いうる有意味な文をさしますので、以下のような命題群をつくりました。

命題群A
1)国家の目的は戦争の勝利である。
2)戦争の勝利のためには小型化された核兵器による先制攻撃が最も有効である。
3)故に国家は小型核兵器による先制攻撃を行う。

命題群B
1)国家の目的は防衛の成功である。
2)防衛の成功のためには小型化された核兵器による先制攻撃が最も有効である。
3)故に国家は小型核兵器による先制攻撃を行う。

命題群C
1)国家の目的は戦争の勝利である。
2)犠牲を最小限にして戦争に勝つためには先制攻撃が有効であり、核兵器の小型化を目指すことになる。
3)故に国家は核兵器の小型化を目指す。

命題群D
1)国家の目的は防衛の成功である。
2)犠牲を最小限にして防衛に成功するためには先制攻撃が有効であり、核兵器の小型化を目指すことになる。
3)故に国家は核兵器の小型化を目指す。

各命題群の2)が福山様のご意見で、命題群AとBは私の書き換えにより違和感があるとのことでしたので、命題群CとDをつくりました。戦争の勝利によって得るものは何もないということは、今回福山様が述べられた「原爆の数分の一の破壊力、地下シェルター施設などの特定のターゲットに小型核兵器を使用した場合、玉川様が想像されたような状況にはならないとアメリカの核兵器開発支持者は主張しています。」のような状況があるとしても、第二次世界大戦後、戦勝国が敗戦国の復興援助をしたことでも明らかですので、議論の争点ではありません。問題は命題群Dです。前回の説明と同様に複数の国家が核兵器小型化を目指した場合、防衛の成功度は低くなります。従って、命題群D-2)は真ではありません。各命題群の2)が真だと思う国があると、核兵器の保有が拡散していくことになります。また、小型化された核兵器の保有を目指すと核保有国からも非核保有国からも通常兵器による予防的先制攻撃を受ける確率が高くなり、防衛の成功率は下がります。

ここまで書いて来ましたが、やはり福山様には同意いただけないように思いました。その理由は、もしかして福山様は戦争に勝つためにはと書かれていますが、それは、戦闘に勝つためにはという意味なのかもしれないと思いました。英語では、FightやBattleになります。それであれば、福山様のご意見に反対する理由はありません。

>う~ん、軍人という立場から見れば小型核兵器による先制攻撃が最適な攻撃選択肢になるケースはありえると私は考えていますが、「最も有効」という表現は違うと思います。やはりcase by caseではないでしょうか?

と書かれていましたので、そのように思いました。軍人として、ナポレオンはパリ市中で大砲を使用して、非難されましたが、戦闘にはほとんど勝ちました。ロシア遠征でもモスクワを占領して、支配しようとしましたが、クツゾフ将軍のモスクワ退却と焦土戦術によって飢えと寒さの中で敗退しました。アイゼンハワー大統領は優れた軍人でもあり、大統領退任の演説で、「・・・この産軍複合体が我々の自由と民主的政治過程を破壊するようなことを許してはならない。」と警告しました。軍人としての立場から見ても、戦闘ではなく、戦争や防衛であれば、「小型核兵器による先制攻撃が最適な攻撃選択肢になるケース」はないと思います。

『ミサイル防衛(MD)をめぐる現状と問題点』を紹介していただき、ありがとうございます。今、熟読していますので、読了すれば、MDについての返信をしたいと思います。
  1. 2005/12/16(金) 03:17:18 |
  2. URL |
  3. 玉川陽平
  4. [ Edit]

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  1. 2005/12/15(木) 03:14:23 |

謹賀新年

皆様、あけましておめでとうございます。返信がなかなかできず、申し訳ありませんでした。トリル様コメント、拝読致しました。私はミサイル防衛に対してはもっと慎重に国内議
  1. 2006/01/03(火) 04:47:23 |
  2. The DEBATE
 

  

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